鴨川源流部の概観



最後に参考として鴨川の源流部と上流部を概観します。まずは鴨川を形成する雲ヶ畑岩屋川祖父谷川中津川の三つの河川の様子を見ていきます。これら三つの川はそれぞれ本流と言えるべき要素を持っており、見方によって本流が異なってくるという面白い構造になっています。








雲ヶ畑岩屋川 〜伝統学的本流〜 


薬師峠南側の谷を源流に持つ川です。単に「岩屋川」とも表記します。三つの川では一番規模が小さい川です。
源流部に志明院*注)があるため、伝統学的にはこの川が鴨川の本流・源と考えられることが多いです。
しかし河川法上では祖父谷川の支流に位置づけられています。

注:平安京に住む人々の「命の水」であった鴨川の水源地を祀るようにという天皇の勅願を受け、弘法大師が西暦800年頃に建てた寺。歌舞伎「鳴神」の舞台としても有名です。


志明院にある飛龍の滝。鳴神上人が雨水を司る三千世界の龍神全てをこの滝に封じ込めたという伝説が残っています。志明院境内の湧き水



上流部の様子上流部の川相



下流部の様子祖父谷川合流直前の砂防堰堤(さぼうえんてい)



祖父谷川 〜自然学的本流〜 

桟敷ヶ岳東側の谷を源流に持つ川です。三つの川では一番水量・長さが大きくなっており、自然学的にはこの川が本流といえましょう。府道61号線沿いをひたすら流れます。



祖父谷川最源流部



祖父谷川源流部の砂防堰堤北山杉でつくられた簡素な橋。この地域ではよく見られます。



祖父谷川中流部川アップ



祖父谷川下流部。夏には川床が設けられます。祖父谷の由来を示す石碑。祖父谷の「祖父」は当て字で本来は「素風」と表記するようです。



岩屋橋そばで雲ヶ畑岩屋川を合わせた後、祖父谷川は雲ヶ畑の集落を流れます。


棚田と祖父谷川集落を流れる祖父谷川



中津川 〜法律学的本流〜 


貴船山西側の谷や魚谷峠南側の谷を源流に持つ川です。
三つの川の中で一番マイナーでしばしば支流の扱いを受けますが、河川法上では何とこの川が本流になっています。


中津川源流部源流部支流のの小さな滝



中津川上流部上流部の治山堰堤



中津川下流部澄んだ流れ



祖父谷川と合流する直前の中津川「鴨川起点」のプレート。本当にわずかな区間(数メートル)ですが中津川が鴨川の本流であることが示されています。



二川の合流


祖父谷川と中津川は出合橋そばで合流します。まさに二つの河川が出合って鴨川が形成される瞬間です。


写真左側から中津川が祖父谷川に注ぎ、鴨川が形成されます。左写真と反対側から撮影。手前側が始まったばかりの鴨川にあたります。




●メモ

◎岩屋橋まではバスが運行されています。志明院まではバス停から徒歩20〜30分程度です。




1、鴨川ひろば・柊野堰堤
2、鴨川の公園(柊野堰堤〜出町柳) 1
3、鴨川の公園(柊野堰堤〜出町柳) 2
4、鴨川の公園(出町柳駅周辺)
5、鴨川の公園(出町柳〜御池)
6、鴨川の公園(御池〜塩小路)
7、鴨川の公園(塩小路〜十条)
8、鴨川の公園(十条〜河口)
9、鴨川源流部の概観
10、鴨川上流部の概観

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