砂防堰堤


石積堰堤を通過した川はまもなく音羽川流域で最大の砂防堰堤(さぼうえんてい)に出会います。砂防堰堤とは上流部に見られた治山堰堤と異なり、街を土石流から守ることに主眼を置かれた施設です。修学院音羽川に設けられた砂防堰堤は第二章で述べた石積堰堤とコンクリート製のものに分類されます。





まず砂防堰堤を上流側から見てみます。山間部を抜けた川は堰きとめられ、広い湛水池(たんすいち)を形成しているのが分かります。ここに砂を溜め水だけを少しづつ下流に流すことで、土石流の勢いや河川の侵食を和らげることができるのです。





山間部を抜け湛水池に入る川。池傍には写真右側に見えるボードウォークが設けられ気持ちよく歩けます。湛水池アップ。川底に溜まった砂の影響などで濁っていることが多いです。



次に砂防堰堤を下流側から見てみます。堰堤を通過した水が勢いよく流れ落ちているのが分かります。ここの砂防堰堤は高さが22メートル*注)もあり、落差が大きくなっているため、遠くから見ると大きな滝のように見えます。

注:昭和43年に設けられた当時は12メートルでしたが後49年から52年にかけてかさ上げされたようです。(余談ですが法律上、15メートル以上の堰堤は「ダム」と呼びます。この砂防堰堤はかさ上げされたことでダムに昇格したことになります。)


砂防堰堤遠景砂防堰堤を下から


この施設のおかげでかなりの砂が取り除かれたように見えますが真下には砂防堰堤を通過した白砂がびっしり溜まっています。あらためてこの川の土砂運搬能力には驚かされます。



堰堤真下にへばりつく白砂



*参考 砂防堰堤と用水

実は上述の砂防堰堤、川から農業用水を取水する「井堰」(いせき)の役目も兼ねています。砂防堰堤下に取水樋があり、春から秋にかけてここから農業用水が採取されています。

この用水の水は今も残る修学院地区の田畑を潤しているだけでなく、修学院離宮の庭園にも引かれています。



農業用水の取水樋


修学院地区の田畑。中央に流れるのが用水。修学院離宮(写真に見える金網の向こう)へと入っていく用水




●メモ

◎砂防堰堤上側へは傍にある階段で上れます。ただこの階段はとてもきついので体力に自身の無い方にはお薦めできません…

◎とはいえ、堰堤上からの眺めはけっこういいです。展望デッキもあるのでのんびり出来るのではないでしょうか。




1、修学院音羽川上流部
2、石積堰堤
3、砂防堰堤
4、親水広場
5、沈砂池
6、修学院音羽川下流部
7、白砂の利用

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